CG講習一日目~コンピュータグラフィックの基礎(後編)


レイヤーと合成モード

レイヤーとは(メモリやCPUが大丈夫な範囲でなら)いくらでも重ねることができる透明なシートのようなものです。
厚塗りじゃあんま使わんがな。
特にパーツごとで塗っていくことの多いCGではレイヤーを使いこなすことが作業の効率化につながります。 また線画と塗りのレイヤーを分けることで、線画をいちいち避けながら塗るなんて必要もなくなります。(もちろんはみ出ないように気をつけはしますが)
まぁクリッピングやらレイヤーマスクなんかも活用できるとかっこええよな。
それなりのペイントソフトなら、レイヤー機能が実装されていますし、また、ただ単に重ねる「通常」合成以外にも様々な合成モードというものがあります。
よくやるのが「乗算」と「スクリーン」と「オーバーレイ」やな。
まずは「乗算」です。この合成モードではどんどん色が暗くなり、ちょうど色セロファンを重ねていくような感じになります。 このモードでは白は透明と同じ働きになり、黒は必ず黒くなります。
ようわからんと思うから、この二つの画像で色々やってみるで。
……。
で、この二つを合成する。左が通常、右が「乗算」で合成した結果や。
文字のところなんかがよく分かりますね(棒)。灰みの橙や灰みの青紫あたりを「乗算」することで陰影を容易に表現することができます。
まぁ色が濁りやすいから、あんまりお薦めはせんがな。
次は「スクリーン」です。こちらは「乗算」とは逆にどんどん明るくなります。光を重ねていくイメージですね。 このモードでは黒は透明と同じ働きになり、白は必ず白になります。
さっきの二つのを「スクリーン」で合成するとこうなる。
……ハイライトなどの光表現に用いることが多いですね。
「加算」だとか「発光」なんかを使うこともあるがな。
そして「オーバーレイ」。この合成モードは乗算とスクリーンの中間で、色味の調整に用いることが多いです。
こんな感じ。
色むらの表現や、テクスチャなんかをこれで合成すると、面白い効果が得られることがありますね。


この講座での主な使用ソフト

SAIとPhotoshopです。どちらも有料のソフトなので少し敷居が高いですね。
フォトショとか高いしな。まぁElementsでもええけど。
SAIは公式サイトから30日体験版をダウンロードできるほか、5250円で購入することもできます。有料ソフトの中ではこの値段は比較的安い方ですね。
今だとIllustStudioの方が安いがな。
この講座で利用する機能の多くは、大体の高機能ペイントソフトにならば名称は違うかもしれませんが実装されているようなものがほとんどだと思います。 なのでそこまで心配しなくても大丈夫です。フリーソフトのGIMPやAzPainterなんかでもどうにかなると思います。
まぁこの講座やってる人間がSAI使いだからSAIびいきになるだろうがな。


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